『あ、何かお腹痛い•••かも。』
母が亡くなって告別式を終えたその夜、隣でゴロゴロ転がってどこかに頭をぶつけ泣き出した息子をなだめていたら突然始まった陣痛。
直感的にこれはヤバいと思った。
一人目の出産が2時間50分ぐらいで、医者からは次の子の時はもっと早いよって言われていたせいもあって
ついでに今回も切迫早産でいつ生まれてもおかしくない状況だったので。
確か朝の6時頃だったかな。
父と葬儀を手伝いにきてくれた友人をたたき起こし、病院に速攻電話。
病院には5、6分で行けます!なんて言っておいて
上の子の保育園の準備をしていない事に気がつき
(葬式の時2日続けて大泣きしたのでさすがに病院には連れて行けないと思い)
わーわーしてたら30分が経過。
病院から「いったい今どこにいるんですかっ!?」って電話がきて
「すみません、保育園の準備してなかったんですっ」。
なんて意味不明の受け答え。
大慌てで病院に向かったら、入り口には車椅子を用意した助産師さんがスタンバイ。
車椅子を見たとたん、陣痛の間隔が短くなり(気分的な問題?)分娩室(というか畳の部屋)に運ばれた私。
朝早く起こされ、不機嫌だった上の子が私をじい〜っと見ていたあの表情を忘れない。
ここの病院は総合病院なのに、分娩室は畳の部屋という助産院の様なスタイル。
一人目の時は里帰りで病院に移るまでその事を知らなかったので驚いた。
でも今回は二回目という事もあり、またここに来てしまった•••と案外余裕だったかも。
私が生まれ、病気になる度に通い、祖母が亡くなり、母が亡くなり、二人の子供が生まれた病院。
3日前に母を送り、今度は私がこの病院にしばらくお世話になるとは。
分娩室に入ると、相変わらず布団が一枚敷いてあって倒れ込むように横になる。
分娩用の服に着替えさせられ、いつでも出産okな状態に。
私の出産が早いだろう事はきっとみんな知らせていたんだろう。やたら手際がいいし。
案の定陣痛はどんどん激しくなり、あっという間にピークに到達。前回は声を殺して痛みに耐えたが、声を出した方がラクという友人の助言?により、今回は恥を捨て叫ばせて頂きました。
気がついたら部屋にはやたら人が多くて、5、6人の助産師さんが声をかけてくれたり背中をさすってくれたりと手厚い看病。
誰でも立ち会いokなのに身内は一人もおらず。
(旦那は仕事の都合上来れず、父は息子を保育園に)
唯一付き添ってくれていたのは友人だった(笑)
痛みで意識が遠のきかけていたら、助産師さんが「子宮口全開です」と叫んでいるのが聞こえ、シャキーンとする私。急に冷静になって、「いきんでいいんですか?」って尋ねたら、医者がおもいっきり吹き出してるのが見えた。
今回も前回同様四つん這いで子を生み落とした私。
怖かったのが、あまりにも出産が早すぎて破水しなかった為、赤ちゃんが膜をかぶって出てきてしまったらしくちょっと危険な状態だったとか。でも無事生まれてきてくれて一安心。
出産した後、一人目の子を取り上げてくれ、祖母と母の世話もしてくれた助産師さん(元看護士)が会いにきてくれた。母が亡くなる前に、お見舞いに行ってくれたらしく、母が赤ちゃん間に合わないかも(二人目)と言ってた事を教えてくれた。やっぱり母は自分の死が近づいていた事を悟っていたんだな。
分娩時間 1時間50分 記録更新(笑)
立ち会い者 友人(笑)
友人曰く、あれは旦那さん見ない方がいいと思う。だって。
恥ずかしいやら何やら•••。
出産してから3週間。息子はすくすくと育っています!