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健康
母が行った抗がん剤治療は、大腸ガンの患者が行う一般的なもの。何種類かの抗がん剤を組み合わせて投与する。
効果が期待できなくなったら数少ない治療方法の中からまた違う組み合わせの抗がん剤を使う。
全ての治療方法を使いきったらthe endというわけた゛。
ただ、母がラッキーだったのは2007年にアバスチンが認可され使える様になったことだ。
アバスチンは抗がん剤じゃないんだが、癌細胞が栄養を取り込むのに必要な血管を作るのを阻止する事ができる。
なので抗がん剤と併用して使うと効果が大きいらしい。
ただアバスチンにも副作用があるため、使い続ける事はできないんだが
母の場合アバスチンのおかげで生存率が伸びたといっていいほどだ
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抗がん剤治療が始まると同時に、副作用が現れ始めた。
最初はやはり胃の不快感。嘔吐はしなかったが、気持ちが悪いらしく食欲がなくなる。
「気持ちが悪い」と言い座椅子に座っている日が続く。
でも母は癌に立ち向かう気満々だったので、数日がたって気持ち悪いのがなくなってくると一生懸命にご飯を食べ始めた。
辛い一週間が過ぎ、次の抗がん剤治療までのもう一週間が母にとっては普通に生活できる時間なのでその一週間は元気に過ごす事ができたのが唯一の救いだ。
抗がん剤の副作用は薬を変える度に変わり、脱毛は勿論、酷い口内炎、下痢、手足のしびれ、爪の周りが膿む等、酷いものだった。癌と戦っているんだか、抗がん剤と戦っているんだか分からないくらいだ。
それでも母は戦った。
例え髪の毛が抜け落ちたって、かつらや帽子をたくさん買って少しお洒落を楽しんだ。
気持ちが悪くても少しは栄養とらなきゃと、ウィーダーインゼリーを飲む等できる事をした。
頑張った甲斐があったのか、手術から2年して医師から肝臓の癌が石化し動かなくなったといういい報告をもらった。PETでも肝臓以外の転移もなく、動いている癌はない事が分かり母も私達も大喜びだった。
そして医師からは抗がん剤治療は一旦終わらせましょうという提案をされた。
抗がん剤を終わらせる、そう言われた時正直私は戸惑った。
癌が転移し、ステージ4という末期の状態で果たして抗がん剤を終わらせて大丈夫なのか、と。
「今使っている抗がん剤をこのまま続ける事はできないんですか?」
念には念をと思い、そう医師に尋ねると
「○○さんの場合、白血球がだいぶ少なくなっています。このまま抗がん剤を使い続けるのは難しいし、現在は病状が安定しているので一旦終わらせた方がいい。」(確かこんな事を言われたと思います)
それなら仕方ない。不安は残るがそういう理由があるなら、しばらく体を回復させる為に一旦お休みするという形で、母の抗がん剤治療は終わった。
私は本当に癌は再発しないんだろうか?とかなり不安だったが、母は治ったと大喜びでその日から約1年間は癌になる前の普通の暮らしをする事ができた。
私も第一子を妊娠する事ができ、母も大喜びで一緒に出産準備をしたりと楽しい時間を過ごす事ができた。
母も父と二人でバス旅行を楽しんだりと、穏やかな時間を過ごせたと思う。
そして私の出産を控えたある日
浮かない顔をして帰ってきた母から悪い知らせをもらった。